
秋の花木

金木犀(きんもくせい)
金木犀は、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、秋に甘く芳醇な香りを放つ小 さな橙黄色の花を咲かせます。その香りは庭や街路を包み、多くの人々に秋の訪れを感じさせます。また、金木犀の花言葉は「謙虚」「気高い人」で、その控えめで上品な花姿に由来しています。庭木や生け垣として広く植栽され、日本の風景に馴染み深い植物です。龍宮住吉霊宮の周囲などに見ることができ、秋の時期には甘い香りに包まれます。

彼岸花(ひがんばな)
彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、秋の彼岸の頃に鮮やかな赤い花を咲かせることからその名が付けられました。花は茎の先端に放射状に広がり、独特の美しさを持っています。一方で、彼岸花の球根や全草には有毒成分が含まれており、食用には適しません。そのため、田んぼの畦や墓地などに植えられ、動物からの食害を防ぐ役割も果たしてきました。花言葉は「情熱」「独立」「再会」などで、その神秘的な雰囲気から多くの伝承や物語の題材となっています。神饌田や社務所横の植え込みに見ることができます。

紅葉(もみじ)
もみじは、ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、秋に美しい紅葉を見せることで知られています。日本には約20種が自生し、特にイロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジが代表的です。葉の形状や大きさは種類によって異なり、イロハモミジは3~7裂、ヤマモミジは7~9裂、オオモミジは5~9裂で葉が大きいのが特徴です。紅葉の色も赤や黄色など多彩で、観賞用として庭木や盆栽に広く利用されています。境内地では金龍湖周囲に色鮮やかな紅葉を見ることができます。

銀杏(いちょう)
銀杏は、イチョウ科に属する落葉高木で、現存する唯一の種です。高さは20~30メートルに達し、扇形の特徴的な葉を持ちます。秋には鮮やかな黄色に紅葉し、美しい景観を作り出します。雌雄異株で、雌木は銀杏(ぎんなん)と呼ばれる種子をつけ、食用として親しまれています。また、イチョウは耐久性が高く、都市部の街路樹や公園樹として広く植栽されています。顕斎殿や手水舎付近に見ることができます。